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海はいま、
危機に瀕しています
私たちの食文化は、豊かな海の恵みに支えられて発展してきました。
昆布やかつお節等からつくる"出汁"をはじめ、水産物なしに和食は作れません。
日常的に食べる魚種も数多く、家庭の食卓でもレストランでも、多様な魚介料理が楽しまれてきました。
しかし、そんな私たちの海は今、危機的な状況に直面しています。
過去30年以上にわたり、日本の海の生産量は減少の一途。
豊かな海を取り戻すため、国は環境再生の取り組みとともに、今後は水産資源(魚介類)を科学的な根拠に基づき数量管理をしながら漁獲していくとした大きな方針転換を、2020年に打ち出しました。
サプライチェーン全体が
なめらかに繋がる必要性
しかしこうした海の窮状について、多くの人は知りません。
水産改革が一部ですでに始まっていること、そしてなぜ必要なのかに関しても、ほとんど知られていないのが実情です。
その背景には、複雑な流通システムのなかで生産地と消費地の心の距離が離れ、海のリアルな様子が伝わらないことがあるのでしょう。
表面的に変化が見えづらい海の問題は他人事になりがちです。
でも実際は、海の危機は魚を食べる人みんなの「自分事」。漁業現場のチャレンジを、その先に連なる流通、小売、レストラン、消費者といったサプライチェーン=社会全体が支え、問題に真剣に取り組まなければ、私たちの未来の食卓から本当に魚が消えるかもしれません。
未来を担う皆さんと、
100年先の豊かな海を
つくりたい
本企画は、興味対象もバックグラウンドも多種多様な若者がチームを組み、さまざまな学びをベースに自分たちが考えるサステナブルなシーフードレストランを、夏季に企画・運営する約3ヶ月間のプロジェクトです。
主催は海の未来を考えるトップシェフチーム、『Chefs for the Blue』。2017年よりイベントやプロジェクトを通じて、水産物の持続可能な生産・消費スタイルへの移行を社会に訴えてきました。
レストランは生産者、流通、消費者のそれぞれとダイレクトにつながることができる、つまりサプライチェーンの輪が小さく完結する特別な場所です。
ここでの研修や、食の世界の最前線にいるトップシェフたちとの3ヶ月間の学びは、飲食業界志望者にとどまらず、多くの若者にとって生涯の得難い経験となるはずです。
近い将来に社会のさまざまな場所へと羽ばたいていく彼ら彼女らが、ここで得た海の学びや体験を思考の一助として、またここで得たネットワークを大切に、さまざまな角度から自分なりの海の課題解決を目指してほしい。そう心から願っています。
未来の海のチェンジメーカーたちの
応募を、お待ちしています。